Sangkai Zomeki - Unspeakable Practices, Unnatural Acts. -
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 以前、いっしょに暮らしていた女の子は、アトピー性皮膚炎だった。それで、しょっちゅう真夜中に起こされて、背中を掻くのを手伝わされた。全然効かない、もっと強く、と彼女は言ったが、背中にはもう何本もみみずばれができていて、血もうっすらとにじんでいた。申し訳程度に爪を立ててなでていると、怒って背中を押し付けてきた。代わってやることもできず、どうしたらいいのかわからなかった。やりきれなかった。俺は無力だ、と思った。
 彼女の実家は肉屋だった。だからわたしは社長令嬢なのだ、とふざけていたのを覚えている。今でもときどき、思い出すことがある。

こめきねそ (71.4KB)

臭い (7.35KB)




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